(Codsworth)
(Mister Handy)
(ネイト/ノーラ、ショーン)
コンパニオン
岩崎ひろし (日)
コズワース(Codsworth)は、連邦のサンクチュアリ・ヒルズ周囲に居住しているロボットである。『Fallout 4』において「唯一の生存者(ソール・サバイバー)」のコンパニオンとなることが可能である。
主人公(唯一の生存者)とはゲーム本編が始まる2077年の大戦前から行動を共にしている数少ないキャラクターであり、再会後も献身的に主人をサポートし続ける忠誠心と、英国執事風の礼儀正しいプログラムが特徴的である。
生い立ちと背景 (Background)
大戦前の生活と取り残された執事
コズワースは汎用の家庭用モデルとして製造されたMr.ハンディであり、2077年10月23日(最終戦争の日)の直前に起動された。彼のモデルは掃除、ガーデニング、育児、食事の準備などができるようプログラムされており、雇い主であるサンクチュアリ・ヒルズの一家(元軍人の夫、弁護士の妻、そして幼い息子のショーン)に仕えていた。購入されたばかりであったため、自宅の洗濯室には彼が梱包されていた箱がそのまま残されている。
なお、「コズワース」という名称は、架空のキャラクター「バーソロミュー・コズワース」にちなんで名付けられた。この声はハリウッド俳優であるセバスチャン・レスリーの声をロブコ・インダストリーズ社が買い上げ、汎用家庭用モデルの標準ボイスとして使用しているものである(この設定はTVドラマ版『フォールアウト』で明かされた)。
Vault-Tecの担当者が一家を訪れた際、彼らはコズワースも一緒にVault 111へ避難できるかと尋ねたが、担当者は「Vaultは人間のためのものである」と述べて拒否した。その悲劇的な日の直後、最終戦争勃発を告げる緊急放送を受信した一家はVaultへと走り去り、彼は一人家に取り残されることとなった。
210年間の孤独と忠誠
コズワースは爆弾による初期の破壊を生き延び、いつか帰ってくるはずの家族を待ちながら、元の家を見守り続けた。戦後の最初の10年間、彼は無駄な家事をして気を紛らわせていた。放射性降下物(フォールアウト)で汚染された床にワックスをかけ続け、半壊した家のホコリを払い、完全に錆びついた車を磨き続けた。しかし主人公との再会時に明かす通り、彼は実際には世界の惨状に深く悲しみ、数十年にも及ぶ孤独に精神を病みかけており、それを乗り越えるために「何も起きていないフリ」をしていたのであった。
爆弾が落ちた後のどこかの時点で彼はコンコードの住民との接触を試みたが、地元のレイダーたちは彼を「棒で何度も殴り」「何度も銃撃してきた」だけだった。それ以来彼が遠出することはなくなり、唯一の生存者が再びサンクチュアリに帰還した際も、彼はかつての家の周囲の生い茂った植え込みを虚しく手入れし続けている。
性格 (Personality)
コズワースは、プログラムに深く根ざしたステレオタイプな「英国の執事」のパーソナリティを持っている。潔癖で、手伝いを惜しまず、常にプロフェッショナルで礼儀正しい。しかしイライラした時や呆れた時には、強い皮肉や軽蔑の態度を見せることもある。
他の先進的なロボットと同様に、コズワースも複雑な感情を模倣し、ロボットとしての精神的トラウマを経験する能力を持っている。途方もない孤独と、自分の主要な機能を果たすことができない能力不全の年月の末に主人が「Vault 111」から無事生還した時、彼は計り知れない安堵と喜びを見せた。
彼は主人公の配偶者の死とショーンの誘拐という現実を最初は受け入れようとしなかったが、やがて主人公に寄り添い、サンクチュアリの捜索を手伝い、助けを求めるためコンコードへ向かうよう主人公を導く。
コズワースは、大戦前からの主人公やショーンとの歴史を共有している唯一のコンパニオンである。世話をし、仕えるようにプログラムされたロボットとして、彼は常に主人公を気遣い、危険を回避させようとしながらも「やればできる(can-do)」という前向きな姿勢で旅に同行する。善行を積んで好感度を上げると、再び生きる目的を与えてくれた主人公への強い感謝と敬意を語ってくれる。
コンパニオンシステム (Companion Mechanics)
コズワースは最序盤から同行可能になるコンパニオンである。コンコードでのクエスト「Out of Time」を進める(あるいはダイアモンドシティなどに到達する)ことで、正式に連れ歩くことができるようになる。
基本ステータスと能力
- SPECIAL: S:9, P:10, E:7, C:7, I:16, A:10, L:7
- 装備とカスタマイズ: 通常のコンパニオンの防具は装備できないが、「ボーラーハット」などの一部の帽子を被せることができる。DLC『Automatron』を導入している場合、ロボット作業台で全身のパーツを自由に改造できるようになる(ただし、一度でもロボット作業台で改造を加えると、以降は帽子を被れなくなる仕様があるため注意)。
- 戦闘スタイル: 近接戦では内蔵された「バズソー(丸鋸)」と「フレーマー(火炎放射器)」を使用する。序盤のコンパニオンとしては非常に高い攻撃力と耐久力を持ち、敵を炎上させながら切り刻む圧倒的な前衛として活躍する。
- 回復方法: ロボットであるため、通常の「スティムパック」では回復できない。DLC『Automatron』導入環境下では「ロボット修理キット」で修理する必要がある。
- 特殊技能(きれいな水の提供): 話しかけると、定期的に「きれいな水」を1つ提供してくれる。彼のセリフによれば、ボディ内部のフィルターで地下水を浄化しているか、空気中の水分を凝縮して精製しているとのこと。
- プレイヤー名の読み上げ: 彼はFallout 4のコンパニオンの中で唯一、主人公の「名前」を音声で呼びかけてくれる機能を持つ(登録されている900種類以上の英語名や一般的な名前に限る)。
固有Perk:Robot Sympathy
好感度が最大に達すると、特殊Perk「Robot Sympathy」を獲得できる。このPerkを取得すると、ロボットのエネルギー兵器からの攻撃に対してエネルギー耐性が常に「+10」される。
※注意:コズワースはロボットであるため、ロマンスの対象にはならない。
好感度(Affinity)
コズワースの道徳観は「善良」かつ「極めて合法的・常識的」である。他者への親切や家族を大切にする発言を好む一方、薬物の使用、金銭の要求、そして「アイテムのポイ捨て」といった生活態度の乱れまで注意してくる。
好む行動(Likes / Loves)
- 武器や防具の改造:作業台で装備のモジュールを作成・変更すること(Loves)。これを行うだけで手軽に好感度を稼ぐことができる。
- 責任ある合法的な行動と人助け:善良な選択をし、無償で人々を助けること。
- 正義の組織への協力:ミニッツメンやブラザーフッド・オブ・スティールへの加入・協力。
- 家族への言及:会話の中で家族(配偶者やショーン)について肯定的に話すこと。
嫌う行動(Dislikes / Hates)
- 犯罪行為:スリ、所有物の窃盗、罪のない人々の殺害(Hates)。
- モラルに反する行動:会話での嘘、薬物(ケム)の使用、スピーチチャレンジで追加の報酬(キャップ)を要求すること。
- ポイ捨て:インベントリから地面にアイテムを落とすこと(Dislikes)。
コンパニオン関連クエスト (Quests)
コズワースには専用の同行クエストは存在しないが、物語の最序盤において主人公を導く重要な役割を果たす。
- War Never Changes:ゲーム最序盤、大戦前の平和なサンクチュアリ・ヒルズでの生活。ここでコズワースは一家の執事として平和な日常を演出している。
- Out of Time:Vault 111から脱出した直後、210年ぶりに廃墟となったサンクチュアリに帰還した主人公を迎え入れるクエスト。現実の惨状を受け入れられず錯乱気味の彼に事実を突きつけ共に虫を退治した後、生存者を探すために近隣の町「コンコード」へ向かうよう勧めてくれる。
開発秘話・小ネタ (Behind the Scenes)
- 英語版の声優を担当する Stephen Russell は、『Fallout 3』でのMr.ハンディたちの声や、本作のもう一人の主要コンパニオンである「ニック・バレンタイン」の声も担当している。日本語版の声優は岩崎ひろし氏。
- Russell は開発の終盤に約1週間かけて「900種類以上のプレイヤーの名前」の音声をひたすら収録し続けた。
- 彼の名前「Codsworth(コズワース)」は、『Fallout 3』のメガトンでプレイヤーの執事となる「Wadsworth(ワズワース)」と似た命名規則になっている。「~ワース(-worth)」という名前は、欧米のポップカルチャーにおける典型的な「執事の名前」のステレオタイプである。
- 戦闘でダメージを受けた際に「'Tis but a scratch! (ただの擦り傷です!)」と叫ぶことがあるが、これはイギリスのコメディ映画『モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル』に登場する黒騎士の有名なセリフのパロディである。
- 放射能汚染と崩壊の中で「何も起きていないフリ」をして無駄な家事を続けていた彼の態度は、レイモンド・ブリッグズのグラフィックノベル『風が吹くとき(When the Wind Blows)』の主人公ヒルダ・ブログスや、レイ・ブラッドベリの短編小説『優しく雨ぞ降りしきる(There Will Come Soft Rains)』に登場する全自動住宅を彷彿とさせる設定である。
【MOHIの所感 (Impression)】
コズワースは、全てを失った「唯一の生存者」にとって、戦前の平和だった記憶を繋ぐ唯一の生きた絆(リンク)です。210年という途方もない孤独の中で錆びつき、荒廃した世界を直視できずに「何も起きていないフリをして床を磨き続ける」彼の姿は、Fallout 4の最序盤において最もプレイヤーの心を締め付ける強烈な悲哀を描き出しています。
しかし、ご主人様と運命の再会を果たした後の彼は、過去のトラウマを乗り越えて非常に頼もしい相棒となります。「紅茶はいかがですか?」と英国紳士風の礼儀正しいジョークを上品に飛ばしながら、内蔵バズソーでレイダーを無慈悲にミンチにしていくギャップは痛快そのもの。善人プレイをするなら間違いなく最強の相棒の一人であり、寂しいウェイストランドの旅路に「ホーム」の温もりを与え続けてくれる最高の名執事です。
Licensed under the Creative Commons Attribution-Share Alike License (CC BY-SA 3.0).
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